信用を重んじて利益を後にし、業務を楽しむ

足利(栃木県)に店舗を構える滋賀県五個荘出身の山村平八家の「商工格言」

常に店の者が目につくところに掲げられていたと推測され、声に出して読まれたものかもしれない。

「商工格言」常ニ正直ト勤勉トヲ旨トシ諸事親切ニテ熱心ナルベシ
客ニ接シテハ必ズ慇懃ヲ盡シ信用ヲ重ンジテ利益ヲ後ニシ業務ヲ樂シミテ不平ヲ抱カス
困難ニ出逢フトモ屈スル勿レ
真心ヲ捧テ主命ヲ守リ慈愛ヲ運ヒテ後進ヲ遇セヨ
品性ヲ養テ操行ヲ慎ミ法規ヲ遵守シテ約束ヲ履行シ善根ヲ心懸ケテ陰徳ヲ修メ他善ヲ随喜シテ嫉意ヲ起サズ神佛ヲ敬フテ信心ヲ励ミ忠孝ヲ貴ヒ修養ヲ努メヨ
錢厘ノ商ヒモ疎畧ニセズ商品ノ多少ヲ問ハズ親切ニ賣レ
朋輩互ニ和合シテ住シ何事モ堪忍シテ腹ヲ立テズ職業ニ貴賤ナシ唯心術ニ依ル健康ト忍耐トハ家ヲ興ス基勉強ト節約トハ福ヲ招クノ門ナリ
兮ニ安ズルハ進歩ノ土臺愉快ニ働ク者ハ自カラ天祐ヲ蒙ル人ノ為ニ盡スハ軈テ己ニ徳トナル一事ニ綿密ナレバ萬事ニ大成スルモノト知レ
王渚書

● 常に正直と勤勉とを第一とし、諸事思いやりをもって熱心であれ。
● 客に接しては必ず礼儀正しく尽くし、信用を重んじて利益は後に考え、業務を楽しんで
● 不平を抱かず、困難に出逢っても屈してはならない。
● 真心を捧げて主命を守り、慈愛をもって後輩を導け。
● 品性を養って日頃の行いを慎み、法規を守り約束を実行し、善根を心がけ、人に知られな
● 善行をし、他人の善行を喜び、ねたみを起こさず、神仏を敬って信心を励み、忠孝を大切に人格の修養に努めよ。
● 小さな商いもおろそかにせず、商品の多少を問わず親切に売れ。
● 共に働く仲間はたがいに結束し、何事もこらえて腹を立てない。
● 職業に価値が高いも低いもない、ただ心の持ちようである。
● 健康と忍耐とは家を栄えさす根本であり、勉強と節約とは福を招く門である。
● 自分の立場に満足することは進歩の土台、愉快に働く者は自然と天の助けを得られる。
● 人のために尽くすことは、やがて自分のためになる。
● 一つの小さな事も手抜かりないようにすれば、万事において大成するものと知れ。

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